† of Ogre~鬼の心理
声は知能が低いのか、はぐらかしているのか、言葉の方向性が要領を得ていない。

熱と重圧のせいで息まで苦しいのに、声は意地悪さを増してくる。

―― 今日、果たすよ ――

と、いきなり内容が転じた形で。

「お前、だれ……?」

―― ……………… ――

「まず、それを答え、なさい」

―― ……僕は ――

私は、その声の名乗りを聞いて、

「!!」

ぱちりと静電気が走ったように、眠りに落ちかけていた目を開いた。

枕の下へ手を入れ、硬い手応えのそれを引き抜き、ベッドから抜け出す。

因果応報を、思う。

こんなところで寝ている場合では、なかった。
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