† of Ogre~鬼の心理
わかった、と二つ返事する仁が、かすかに笑う。

どうしてこんなことになったものかと言いたげで、明らかに私への当てつけが含まれている、小さな嘲笑だ。

なんとも、いたたまれない。

「私もできるだけ早く帰ってくるわ」

少なからず感じさせられる、事後処理をしなかったことへの罪の意識で、かなり譲歩した言葉だった。

昨日潰した人間など、どうだっていい。

アルに迷惑をかけ、仁に皮肉をかけられるのが、ただ後悔だった。

「当然だ。一分一秒無駄にせず帰ってこい」

と、コップの中の牛乳を一気に飲み込む仁。

ああ、どうしてコイツはこんなにも、人の神経を逆撫でるのが得意なのやら。
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