† of Ogre~鬼の心理
私の顔を見て、仁こそ頬をひくつかせる。

「まったくもって誰のせいだと思ってる? 平和の尊さを忘れおってからに、この与太者が」

与太者……見かけ二十歳の仁が口にすると、焼き魚に小骨が入っていたような些細な違和を感じる。

そんな言葉、最近の人間は知っているだろうか。あまり多用すると、歳がバレるだろうに。

「まあ、お願いするよ。仁」

プチトマトのへたを取り、口に放り込むアル。

「実は少し前に同僚から電話があってね。本当はこうして悠長に話してもいられないんだ。

だから朝食の片付けからお願いできるかな?」
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