† of Ogre~鬼の心理
すみません――と謝ったところでどうなるものでもない、と経験から信号が送られる。

だから、

「電話があってから、のんびり家族と朝食をとるくらい悠長な脳みそです」

と開き直ったら、重さんは呆れてくれた。

彼の薄くなった頭から、湯気のように怒りが蒸発したのが見えた気がする。

この開き直りは真輝ちゃんから教わったものだけど……なるほど使える。

あまり相手に、いい印象は与えられないみたいだけど。



「アルさ~ん、電話してから軽く二時間は経ってますよ? 相変わらずマイペースですね。なにやってたんですか」

鑑識から渡された手袋をしていると、同僚の内村が肩を叩いてきた。
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