† of Ogre~鬼の心理
同期のくせに敬語でしか接してこない彼は、仁のような真っ黒髪と、オシャレとは言えない黒ぶちメガネがまずイメージにくる。

僕とは、意味はないが、メガネ仲間だ。



「家族で朝食をね」

と、まったく血の繋がらない真輝ちゃんと仁を思い浮かべながら答えた。

彼女達とは利害関係の一致と、生活上いろいろ便利な理由で共生している。

真輝ちゃんが高校一年生の頃からだから……もう、一年と少しになろうかといったところだ。

「ははあ」

僕を上から下まで眺め回した内村は、

「相変わらず、ご家族思いですねえ」

なにを想像しているのかわからないが、ひどく難儀そうに苦笑した。

恐らくだが。

彼の頭の中では、僕にはこの歳で養わなければいけない家族がいて、その家庭にすがり付こうとしているイメージがあるのだろうか。

それとも、まだ独身の自分にそんな話を障りなく話す僕を羨んでの顔か。
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