† of Ogre~鬼の心理
「それじゃあ、ここはここは退かせてもらうよ」

真輝ちゃんをお姫さまのように抱えた僕に、女のほうこそが鬼の形相で、叫ぶ。

「っ、待ちなさい、この人外ども……!!」

しゃらんしゃらん。

(ン? 鈴の音……?)

を聞いたと思った僕は、それがまやかしや幻聴ではないことを、見た。

女が、両手を前に差し出す。そこに、マイクスタンドのようなものが浮かび上がる。

(武器?)

いや違う。そうじゃない。女の身長を少し越すほどの長さがある、杖だ。

艶のある焦げ茶色の長い柄で、先には大きな金の環。その環にはまた、小さな金の環がいくつも、小さな金の鈴がいくつも下がっている。

(ただの、杖?)

いいや、まさか。僕には、儀式用に見える。いや、正確にはそれとも違う。

なんて言ったか、なんて言ったか……。

そう――イメージでは、旅のお坊さんが持っていそうな――

はたと、思い出す。
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