† of Ogre~鬼の心理
「状況的にいただけないってこと、さっ!」
鋭く、空いている右手を振り上げた。僕の手が、腕が、骨格ごと変貌する。さっきと同じ要領で狼へ。
手の甲に瞳が、掌に牙が並ぶ。皮膚がざわつき、毛並みを帯びる。
ただし、大きさは比にならない。アフリカゾウを丸呑みできるくらいの、狼の頭と顎が、右肩から先に顕現する。
ここを建造している人間、ここが職場である人達には悪いけれど、壊させてもらう。
「ごめん、よっと」
そのアギトで、僕は天井を丸々噛み食らった。ごじゃり、というかんばしくない音と、手応え。恐らく、狼の牙が一本くらいへし折れたかもしれない。少し、指の神経にちくりとした痛みがあった。
けれどそんなものすぐに回復するし、天井をぶち抜くことには成功する。
青い、空が、見えた。
「よし!」
大量の瓦礫を右腕の狼にくわえさせたまま、ぱらぱらと粉塵や細粒を散らしてくる地上へ、一気に飛び上がる――直前に、
「!? ――っ、ぐ、く、ぅ……!」
怒濤が、僕を押し飲んだ。衝撃に一瞬、体の芯が持っていかれそうになる。
鋭く、空いている右手を振り上げた。僕の手が、腕が、骨格ごと変貌する。さっきと同じ要領で狼へ。
手の甲に瞳が、掌に牙が並ぶ。皮膚がざわつき、毛並みを帯びる。
ただし、大きさは比にならない。アフリカゾウを丸呑みできるくらいの、狼の頭と顎が、右肩から先に顕現する。
ここを建造している人間、ここが職場である人達には悪いけれど、壊させてもらう。
「ごめん、よっと」
そのアギトで、僕は天井を丸々噛み食らった。ごじゃり、というかんばしくない音と、手応え。恐らく、狼の牙が一本くらいへし折れたかもしれない。少し、指の神経にちくりとした痛みがあった。
けれどそんなものすぐに回復するし、天井をぶち抜くことには成功する。
青い、空が、見えた。
「よし!」
大量の瓦礫を右腕の狼にくわえさせたまま、ぱらぱらと粉塵や細粒を散らしてくる地上へ、一気に飛び上がる――直前に、
「!? ――っ、ぐ、く、ぅ……!」
怒濤が、僕を押し飲んだ。衝撃に一瞬、体の芯が持っていかれそうになる。