† of Ogre~鬼の心理

第三十六節

† 第三十六節



金髪に碧眼、スーツの似合うモデルのようなメガネの優男が、眉は八の字、情けなさ爆発で頭を抱えた。

がし、と鉄骨のへりにしがみつく。

「うぅぅわあああぁーっ、はちゃめちゃだ! いくらなんでも、真輝ちゃんははちゃめちゃ過ぎる! 状況がわかってないよ、全然!!」

遥か下へと落下していく真輝を見ながら、悲鳴も悲鳴だ。

自分ではもっと高高度への飛翔を行いもするし、さっき中心街でもかなりの高層建築である警察署屋上から飛び降りたくせして、真輝に対しては「はちゃめちゃだ!」などと言うのか。心配性もここまでくると、いっそ病気だ。

「ああああーっ! 真輝ちゃん、鉄骨にぶち当た」

る、という声までは、

「お? おっ!? うおおっ!?」

聞けなかった。

俺もふちから見下ろしていたが――

「ほー、ほっほ、ほーう」

と、アル同様に素直な感嘆が漏れる。拍手までした。

真輝は鉄骨が目前に迫った瞬間、猫のように身を捻り、それに手をかけた。

そのままサイドの鉄棒を握り、落下の勢いを回転へ変えて新体操の鉄棒運動を披露する。

そして最高速度へ達した瞬間に手を離し、ポーンと飛び出してしまった。
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