† of Ogre~鬼の心理
「東城さん、そんなに肩肘張らなくてもいいじゃないか。もっと笑ってごらんよ。そしたらきっと、もっとかわいいよ?」

「……………」

一瞬、バカと言って貶そうかどうか、迷った。

今、私はかわいいと言われたわけだ。まったく、そんな風にしようと思ったわけではない。むしろ逆、仏頂面だったのに、かわいいと。

これはまさしく、風間の目が節穴である証拠になるが……そう言われて不快な気持ちにはならない。

かといって私は、ありがとうと素直に言えるようなニンゲンでもない。

まったく突拍子もなく言われた褒め言葉に、反応が取れない。

怒るべきではないが、素直に喜べない。かといって、喜ぶべき場面かと思えば、相手が相手だ。それも違う。
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