† of Ogre~鬼の心理
「ねえ、さっきの紙なに? なんかすごい模様だったけど」

「アナタにはまったくわからない代物よ。気にしなくてはいいわ」

家では、もう少しかわいく会話できないこともない。

が、家の外……風間相手には別だ。

私がアルや仁と生活しているのは、いろいろ生きていく上で便利なのもあるからだが、一番は保身のため。

その保障を、自分から掻き乱すのはバカのすることだろう?

だから家から一歩でも出たなら、私は孤立無縁領域をオーラとして解き放つ。獣が唸るように、警戒心を逆立てるのだ。

そうしていれば、世間は私から距離を置いてくれる。こちらも、余計な気を遣い続けなくてすむというわけだ。





不意に、風間がクスクスと笑った。

なにがおかしいのかという目で見ていると、彼はまるで、私のお守り役でも担っているように、父性ある声で言った。
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