† of Ogre~鬼の心理
「あのねフジオカ。私、買い物に行く予定なの。まさかそこまで付きまとったりしないわよね?」

女の買い物は長いんだぞ、と半分脅迫してやったつもりなのだが、

「あ、そうなんだ。ならちょうどいいや。僕も用事があったから、一緒に行こうよ」

甘すぎた。

風間は、どれだけはっきりとした絶縁状を送りつけても、ヤギでしかない男だ。

アッサリと、私の言葉はその気に食わない笑顔に喰われてしまった。

まったくの徒労に過ぎなかった言葉のやり取り。

しかも無意識の反撃を食らった私は、もう諦め半分に言った。

「勝手にしなさい。……荷物くらい、持ってくれるんでしょ?」

二つ返事で、もちろん、と片腕をL字型に曲げて見せる彼は、やはりどうして、そんなところすら彼と似ていた。

だからなおさら、風間のことが好きになれなかった。
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