ハニー・トラップ ~甘い恋をもう一度~

胸元が大きく開いた、純白のウエディングドレス。
大きな装飾がついていない分、胸元や裾に施された細かな刺繍がとても良く映えていた。

「やっぱり素敵……。って、私がじゃないですよっ」

思わず口から溢れた言葉に恥ずかしくなってそう言うと、入口の方から大好きな人の声が聞こえた。

「そのウエディングドレスを着てる、梓が素敵だ」

まだ部屋には多くの人がいるというのに、恥ずかしげもなくさらっとそんなことを言ってしまう遼さん。
ほら皆、クスクス笑ってるじゃない……。

「梓さん、遼さんには敵いませんね。こちらまで熱くなってしまいます。少しお時間に余裕が出来ましたので、しばらくお二人の時間をお楽しみ下さい。あっでも、泣くのだけは勘弁して下さいね」

棚橋さんはチャーミングな笑顔を見せると、全員を引き連れて部屋から出て行った。
ドアが閉まると同時に、遼さんが近寄ってくる。

「遼さん、このドレス……」

「喜んでもらえた?」

「喜ぶも何も、遼さんには驚かされてばかりで……。嬉しすぎて大泣きしちゃった。まだ目が腫れてるでしょ?」

遼さんの顔に自分の顔をグッと近づける。

「梓、ちょ、ちょっと待ったっ!」

両肩を掴まれると、身体を離せれてしまう。
何で? と悲しい顔を見せると、

「その可愛い唇に、キス……したくなるだろ」

顔を真っ赤にしてそんなことを言うもんだから、我慢できなくなって自分からキスをしてしまった。

< 303 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop