貴方想い Kataomoi


1月20日 。 

私の誕生日、そして私の命日。

彼はきっと祝ってくれてるんだ。 

ほら見てよ

馬鹿みたい。

とっくに死んでる私の誕生日を泣きながら祝ってる。

これで10回目。 

空からしか見れない私だけど、

こんな彼を好きになった。

丁度10年前のあの日。

私の誕生日のたった1年前。

どこかのラブストーリーにあるような

いい出会いって訳じゃないけど、

きっとそれで善かった。

本当なら出逢わない方がよかったくらい。

でも、出逢ってしまった。

別れも来た。

まだ泣きながらごしごし目をこする彼は

私の大事な人なのです 。

それでも片想い 。

どういう意味なんだろうね    、 

私にだって曖昧で微妙な関係...



「 おは、愛ちゃん」

「おはよう、ゆうくん」

 毎日の日課。おはようの挨拶私の彼氏ゆうくん

「今日、晴れたな」

「ん、そうだね。善かったじゃん」

「これでサッカーできる」

「梅雨は中々できないもんねー」

「ま、部活ない日は愛ちゃんと帰れるし」

「馬鹿じゃないの、部活ある日も一緒じゃん」

「あれ?そうだっけ」

「え、酷い ! もう一緒に帰んない」

「うわ、そんな事言うなよ。いつでもちゅーしてやるからさ」

「は?、変態」

「そっちの方が傷つく」

「じゃあ馬鹿馬鹿馬鹿!」

「はは、愛ちゃん可愛い」

そう彼は子供っぽく笑うと私の体を両腕で包む

今日は梅雨開けでカラっと太陽が照らして暑かった。

そのせいもあっていい雰囲気にはならなくて

私は彼を押し離した。

「暑いの!」

言い訳をすると彼は眉を下げて少し悲しそうな顔をして

「愛ちゃん、顔紅いよ?」

とさっきとは違って男っぽい顔つきになって
私に顔を近づけてきた

「ちゅーくらいいいでしょ?」

そう耳元で呟くと私の返事もないままキスをした

何故か受け入れてしまった私はそのまま受け..

相手の制服の裾をぎゅっと握った。

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