雨降って、血固まる。
服を脱ぎ、中に入ると、ギンはすでにバスタブに浸かっていた。



ギンは私を見ない。



私が入ってきたことには気がついているはずなのに。



髪を洗い、顔を洗い、体を洗い、私はギンと一緒にバスタブに浸かった。



湯気越しに見るギンはより美しく、ため息がこぼれそうになる。



向き合ってバスタブに浸かっていると、急にギンが遠くに感じた。



こんなに近くにいるのに。



誰よりも近くにいるのに。



手の届かないところにいる気がしてたまらなく寂しくなった。



私にはギンしかいない。



ギンは私の全てなのに…
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