あの時の約束
「気持ちね」
「うん」
「夏休みだー」
「あんまり会えないね」
「そうだね」
「あ、クラブが重なった時は会えるね!」
「そうだね」
「帰れる時は一緒帰ろ」
「うん」
「今日は一緒に帰れ無いや。明日帰ろう」
「うん」
「帰ろ!」
「うん」
「宿題終わった?」
「後もうちょっと」
「そうなんだ」
「真衣は?」
「うちももう少しだよ」
「同じだね」
「うんお互い頑張ろう」
「うん」
「夏休み終わった!」
「最初から専門教科だし」
「佳龍一緒帰ろ!」
「うん」
「今日は疲れた」
「そうだね!」
「そろそろオープンスクールだね」
「そうだね!」
「オープンスクールの説明、オフィスとバックヤードどちするの?」
「交代でやるんだ!真衣は福祉と園芸どちなん」
「うちは福祉だよ!ずっと福祉」
「そうなんや。良いな!」
「えっそうかな?」
「うん。だって覚えるの福祉だけなんでしょ!楽じゃん。俺は両方やで」
「その分実技しないと行けないよ」
「どんな実技するん?」
「体位変換、車椅子の移乗、ベッドメイキングだよ。うちはベッドメイキングだけど!」
「体位変換て何?」
「体位変換は体の位置を帰る事。例えば横向きにしたりするんだ」
「へー」
「一様難しいんだよ!高級料理のマナーと同じ位難しいんだか」
佳龍は笑った。
「頑張ってね!真衣」
「うん」
あの人からメールが来た。
<久しぶり吉沢!元気か?>
<超ウルトラ元気だよ!藍千>
<そんなんだ>
<藍千は元気?>
<又メール出来たから、元気だよ>
<そうなんや>
<うん。この日待ち望んでた>
<何訳判らん事言うな!>
<なぁ好きな人居るん?>
<好きな人居るで!まぁ今ん所は付き合わんけど!約束があるから>
<そうなんだ!あれでもうちと付き合った男は不幸になるって言ってたやんな>
<えっ>
うちは驚いた。
その言葉を知らないはず。だってうちがやり直す前の時間で言った事やから。この時間に居る藍千は知らないはず。なのになんで知ってるの?
<俺は知ってるで!真衣が人生をやり直そうとして居る事。神様にチャンスをもらってやり直そうとして居るやろ>
<えっ>