† of Pupil~瞳の魔力
ひたすらひたすら気持ちが悪い。

それでも、噛みちぎり、噛み砕き、飲み下す。

たとえ、どんなに吐き気が舞い戻ってこようとも。

人間の血を、生きたまま、咀嚼する――

吐き溢した血溜まりも、口をすぼめて啜り飲む――

それは、ものすごく恐ろしいことだと――思う。

思うが――



「ぅあ、あ、……ああ…………あぁ、……は――ははは……はははははっ――、はーっ、あはははは……!!」

体内でとぐろを巻く血の高揚は、たとえどれだけ嫌悪感が募ろうと、快楽として蓄積されていく。

高笑いがどうしようもなく溢れ出したのは、そう、これが初めてではなかった。
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