冷蔵庫の中身
「ねぇ、今日はアキの部屋に行ってもいい?」

雅也は鉄板の上の均等に切り分けられた肉を頬張りながら、小声でささやく

「セックスしよ」

野生的な誘いだなぁ~
直球な感じで悪くない
「いいよ、しよっか」

「やった!じゃあさ帰りにワイン買って帰ろう。セックスの後飲もうよ。」

もぉ ほんと 直球

でも ほんと 可愛い


食事の支払いは順番に払うと私達は最初に決めていた。
今日は私が払う番。私は食後のコーヒーを飲みながら、雅也に銀色のカードを渡して支払いをすませる。

「アキさぁー…一体いくら稼いでるの?」
銀色のカードを私に返しながら、雅也は露骨に肩を落とす。
「ん?そこそこ」

「俺だって結構頑張って働いてるけど、今のカードはちょっとショックというか衝撃的」

「あぁ、アメックスのプラチナ?」

「だってアキがこの間まで持ってたのってゴールドだったから、俺、ちょっと色んな意味で安心してたけど、マジ、ショック」

「2ヶ月ぐらい前にプラチナの案内が送られてきたんだよね。年会費が高いからどうしようかと思ったけど、物は試しって言うし。雅也だってアメックスのゴールドでしょ」

「そうだけど、男としてって話」

「そういうもの?」
「そういうもんなの。だって悔しいでしょ」

立ち上がって店を後にする。

「ところでさー。プラチナって限度額いったいいくらなの?」

「さぁ…?詳しくは教えてくれないんだよね。」

「教えてくれないって、…余計怖い」
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