俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
第1章

出会い(りさSIDE)






(りさSIDE)




ガタガタ。
右へ左へと無条件で揺れる電車。



朝の電車は、通勤ラッシュで、いつものように今日も満員電車。



私が降りる駅までは、あと2駅もある。息苦しい。いつも、この電車に揺られる時間が、嫌いでしょうがない。



私は、毎朝つり輪につかまって、立っている。
今日は、やけに人が多いようだった。



つり輪に掴まりながらも、いろいろ考える。学校に行ったら、なにしよう。そう言えば、一限目ってなんだったっけ。数学の授業って、今日あっ……。



今になって、気づく。



さっきから、太ももに当たる鞄が邪魔だと思っていたが、そうではない。誰かが私の太ももを触っている。鞄などでは、ない。



その手から、たどっていくと、どうも斜め後ろのおっさんが、触ってるようだった。



本当に気色悪い。こんなおっさん…。



気持ち悪いと思いながらも、ずっと抵抗しなかったからか、おっさんは手をお尻のほうへ、移動させる。



電車では、静かにしたかったんだけど。やっぱり、仕方がないようだった。

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