あなたと見る月~新撰組~(編集中)






斎「……『どう』とはどう言う意味ですか?」



俺が問い掛けると副長は手を止めてこちらを向いた。



土「月夜の行動、言動、表情全てを見て間者かどうか。未来の人間かどうか。斎藤はどう思う」



俺は少し考えてみた。


月夜と同じ部屋で行動して時々わけの分からない単語を聞く時もある。


今日は刀のさし方を知らない様だった。



斎「……俺は月夜と行動を共にしてみて、月夜の話は本当だと思います。……なので、もちろん間者ではないと思います」



俺は総合的に判断してそう答えた。


でも、あの縁側での涙を思い出して情が出たのも否定できない。



土「……そうか。月夜の情報を山崎に調べさせたんだが、何一つ出てこなかったんだ」


斎「……」


土「斎藤の意見を聞けて良かったよ。お前も今日はよく休め」



そういうと副長は背を向けてまた仕事を始めた。



斎「……俺は副長の決定に着いていきます。……失礼します」



俺はそう言い残して部屋を出た。






〈斎藤side・end〉
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