『短編』理想の上司
「……い、いません」
おそるおそる答えると。
「またミスしたな」
指先であたしの顔をそっとなぞった。
ほてった体はそれだけで、ぞくりと反応してしまう。
どういう意味?
どうしてミス?
正直に答えたのに。
わからない。
腑に落ちない顔をしていると、課長はくすりと笑った。
「目の前にいるだろうが」
……っ!!
思わず目を見開くと。
「期待を裏切らない鈍さだな」
「え……」
だってだって、え?
遊びじゃないの?
え?
セフレじゃないの?