『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 最もな事を言われて図星をさされた諷馬は…悔しげに卑屈を並べた。


 「おおっ…!
 そうだった…!
 濃や…戸塚殿からいろいろ話は聞いておる!

 濃もお主達に会いたがっておったぞ!」


 諷馬の言葉に…先程までしかめていた顔に悪戯な笑みを浮かべて声を弾ませた。


 「本当!?
 濃姫…無事でよかった…!!」


 殿の機嫌が直った事と濃姫の安否を聞き緊迫した空気はとかれ心からホッととし朗報に心から喜んだ。


 「濃もそなたの事を気にかけておっての…わしが1人早めにここに来る事を反対したのじゃが、なにせ吉乃と別れた時が気を失っていたのもおったし…それに権田殿からその後の情報でお主が学校という所を休んでおると聞いて…そんなに悪いのかと身を案じておったからな…!
 わしが1人早めにくることを承諾してくれたんじゃ!」


 濃姫の話題に彼女と別れる前の記憶が鮮明に頭の中に浮かび私は一瞬息をのんだ。


 そういえば…あの時濃姫の胸を貫いていたと思い胸元を胸元を確かめた時…文箱の蓋に命中して窮地は逃れたものの…ある筈の胸がなかったという驚愕の事実に彼女は…秘密だといい魅惑的な笑みをみせた姿と声が頭の中で何度も響いていた。



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