『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 「おおっ。
 本能寺の坊さんから聞いた。


 現代では‥大名や高貴な身分だけではなく‥一般の民衆も自由に茶を入れ楽しめるようになったらしいのう‥。」



 殿はご満悦な様子で…本能寺の住職さんから聞いた事を嬉しそうに話した。


 「さようでございますわ…。

 私達の現代では…貴殿が今…私達の前で振る舞われた飲み方は…“茶道”として伝わっておりまして‥今でも伝統を嗜まれる方によって伝わっております。」



 未茶の毅然とした態度に私達は…感嘆を漏らした。


 大層ご満悦の様子で…殿は言葉を返した。



 「そうかあ…。
 それも…本能寺の坊さんから聞いた。

 しかし今は…気楽に茶を嗜む事ができて良かったのう…。

 わしの時代では…皆…白湯を口にしておったからのう…。」


 殿の言葉に愛が…突っ込んで尋ねた。


 「白湯………?
 白湯ってあのお湯って事ですよね…?」



 「そうじゃ…。
 現代では…白湯は飲まぬか?」



 愛の問いかけに直球で質問を返され言葉を返した。


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