前途多難な彼女と彼氏①
それよりお母さんに電話しなくちゃ・・・。


「翔、電話してくるね」


「あぁ・・・」


よしっ!頑張ろう・・・。



『プルルルルル』


『もしもし?』


「あ、お母さん?未来だけど・・・」


『どうしたの?今日帰ってくるの?』


「うん。ごめんねお母さん」


『・・・まだお父さん怒ってるから、しばらくしたら帰ってきなさい』


「うん、わかった。ありがと。じゃぁね」



はぁー・・・。
まだ怒ってるのかぁー・・・。



「・・・―――来!未来!」


我に返ると翔が心配そうにこちらを見ていた。


「え、あ・・・何?」


「何?じゃねぇよ。どうだったんだよ」


「うん・・・。やっぱりまだ怒ってるみたい。お母さんがしばらくしたら帰ってきなさいって・・・」


「そっか。・・・未来のお母さんはさ、きっと未来の見方なんだと思うよ」


「え・・・?何でそう思うの?」


「んー・・・だって同じ女じゃん。そういう体験あったのかもしれねぇしさ。大丈夫だよ。少なくともお母さんは未来のこと好きだと俺は思う。まぁ、親父さんは・・・」


「えっ!?お父さんは何!?」


「・・・いや。それは自分で確かめてごらん」


「何よぉー・・・。ケチ・・・」


そっか・・・。
確かに話すなんてことしてなかったよね。


「翔!あたし、帰って話してみるねっ!」


「おう!危なくなったら俺んとこ来いよ」


「うん!じゃぁね!」
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