恋せよオジョー!
「ヤベッ!」
その声が聞こえるやいなや、目の前が真っ暗になる。
ふわりと体が浮く感じがして、冬の冷たい風がわたしの頬を容赦なくなぶる。
ヒョオオオオ、という風を切る音。
(え、え?わたし、今どうなってるの・・・?)
全く状況がわからず、混乱しているとき、ダンっと音がして、私の体が地上へ降ろされた。
キョロキョロと、辺りを見回す。
知らない、見たこともない土地。
「お前、京院邸のオジョーだよな?」
(・・・・??)
なんだこの人は。
よく見ると、結構綺麗な顔をした青年だ。
「わりぃ。急いでたもんだから・・・」
「あの・・・あなた、誰ですか?」
「俺か?・・・俺は、南野恭弥」