恋せよオジョー!


こんなものをもう一度とはたまったもんじゃない。


ジェットコースターとやらを好き好んで乗る人の気がしれない。
あんな絶叫マシーン…。

「え~、乗んねぇの?何しに来たのよ~」


つまらなそうにブーブー言う蓮。
だが、仕方ない。


無理やり連れてこられたと言っても過言ではないこの状況。
わたしは文句言われる筋合いなんてあるのだろうか?


「か、勝手に連れてきておいてそれはないんじゃないですか…!?」


「…つまんねぇのか?」


少し不安そうにわたしの顔を覗き込む恭弥。
そのあまりにも綺麗な顔がグッと近づいてきたため、どきりと胸が高鳴る。


「あ、い、いいえ!つまらなくはないですっ!」


焦って言葉を紡ぐ。
そして正直な気持ちを告げる。


別に楽しくないわけではない。
本当だ。


「…そうか」


ほんの少しだが、恭弥の表情から緊張が解けた、そんな気がした。


< 90 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop