ふたり輝くとき

奪い合い

ユベールがサラを連れてきたのは自分の寝室だった。

サラの手を離さないままワインボトルやグラスが並べられた棚へと向かい、その棚に並んだ小さな瓶を手に取る。

蜂蜜色のパラリージ――痺れ薬。本来麻酔として使うそれをクラドールであった従兄弟、エンツォに改良させた。呪文を使えないよう、その器官だけを麻痺させるものに。

ユベールは迷わずその蓋を開けて煽った。そして――

「んっ!?」

サラに口付けた。クッと顎を持ち上げて、パラリージを流し込む。

サラは両手でユベールの胸を叩いて抵抗するけれど、少し体重をかけて棚に押し付ければ簡単に動けなくなる。

飲み込むのを躊躇っていたサラも、息苦しさに……ゴクリと喉を鳴らした。

「っ、はぁっ……な、にを……っ」

少しだけ唇を離して息をつかせ、もう1度唇を塞ぐ。ユベールの熱をすべて受け止めて欲しくて、深く舌を絡めてサラを味わった。

身体の力が抜けて抵抗の弱まったサラから唇を離すと銀色の糸が引いた。

サラの瞳は潤んで、頬は可愛らしいお人形の桃色で。

「ねぇ、サラ。僕のこと好きになったんでしょ?」

その問いに、ピクッとサラが震える。でも、サラの答えは“NO”で……首を振った。

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