ふたり輝くとき
「どうして嘘つくの?」
「嘘なんて――」
「君は、嘘をつけないって言ったでしょ?ねぇ、もう認めなよ」

ただ一言“好き”と言えばいい話ではないか。どうして拒む。サラとユベールは、同じなのに。

それとも同じだからこそ……?

「ユベール様、離してください」
「嫌だ、って言ったら?」

サラはグッと黙ったけれど、パッと顔を逸らして目を閉じた。彼女は自分の力を使うことに抵抗がある。それに、今は使ったとしても呪文は効果を発揮しない。

小さく囁くように呪文を唱えたサラ。けれど、何も起こらないことに戸惑った表情を見せる。

その不安げな表情に……ユベールは安心、して。

そっと頬に触れる。

「僕は、君を逃がさないって言ったよ……呪文は使わせない。君だって、本当は使いたくないんでしょ?」

サラはようやく先ほど飲まされた液体の効果に気づいたようだ。ユベールはフッと笑ってサラの首筋に唇を這わせた。

「ねぇ、認めなよ。そしたら、優しくしてあげる」

耳元で囁くと、サラはユベールの胸を思い切り叩いてきた。

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