ふたり輝くとき
ユベールがそんな苛立ちを抱えながらもサラのそばを離れられないまま時間は過ぎて、ちょうど3日目のこと。サラが目を覚ました。

クラドールの診察を終えて、ぼんやりと天井を見つめるサラ。ユベールはその端に座ってサラの髪をそっと梳いた。

逆立っていた心は、サラが目を開いたらスッと落ち着いた。

「サラ」

名前を呼ぶと、サラの瞳から雫が1つ零れ落ちた。

「どうして泣くの?」
「ふっ……ぅ、っ」

ユベールが問いかけると、サラの涙がまた1つ、また1つ……彼女の肌に道を描いていく。声を押し殺して泣くサラの涙を、ユベールは乱暴に拭った。

「ロランのせい?母上のせい?それとも、僕が悪いって思ってる?」

サラは首を横に振った。

「じゃあ――」
「こんな力、欲しくなかった!」

そう言うと、サラは思い切り声を出して泣き始めた。ユベールはそれを黙って見つめて……それからサラを引き寄せる。

抱き起こされたサラは、ユベールにしがみついて泣きじゃくった。

「いらないのに!こんな力はいらないのにっ」

やはり、サラは自分と同じだ。
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