ふたり輝くとき
『ユベールがサラと逃げたのが計画のうちだったかはわからないけど、どちらにしろ、ロランの都合のいいように動いちゃったのは間違いない』

ダミアンが朝、ジュストに会いに行く前に彼を殺したのはおそらくロラン本人だ。ちょうど姿を消した2人が犯人だとダミアンの思考を誘導することなど赤子の手をひねるようなもの。

クロヴィスはため息をついて立ち上がった。ようやく薬が効いてきたようで、身体の痛みが引いてきた。

「サラ様は力の暴走の後からずっと気が漏れていました。見つけるのはそんなに難しくないはずです」

だが、それは同時にロラン派の者たちにも見つかりやすいということだ。

ユベールが城を出て少し冷静になってくれていたらいいのだけれど。

「ユベール様……」

一体、どこへ行ったというのだろう。

『それって、どっちのこと呼んでる?』

クスクスと笑う声に、クロヴィスはまたため息を落とす。

「ユベール様、ふざけている場合では――」
『わかってるよ。それより、サラのこと……少し気になるんだ』

打って変わって真剣になった声に、クロヴィスも背筋を伸ばす。

『僕はまた違う時代に行かなきゃいけないみたいだなぁ。とりあえず、2人の捜索は君に任せるから。なるべく早く戻る』
「かしこまりました」

クロヴィスはそう答えて、執務室を出た。
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