ふたり輝くとき
サラは訳がわからないまま、そんなやりとりを呆然と見ていた。

ダミアンがとても怒っていて、それはジュストが殺されたからで。

自分がユベールと城を抜け出したせいで2人が犯人だと思われているけれど、アンナはサラだけの責任だと言っている。逃亡についてはそれで間違いではないが……

ところが今度は誰がサラを城に入れたかという話になって、ダミアンが承諾したのか、アンナが承諾したのか、はたまたジャンが企んだのか。

最初はロランとの縁談だったということも初めて知った。

そしてロランとサラが中庭で会っていたから2人が共犯だと話が進んだ……ようだ。

話の筋が通っているような、いないような……サラには目の前で繰り広げられた会話を整理するのが精一杯。

「ふっ……」

サラがようやく状況に追いつきつつあった頃、隣に立っていたユベールが少し笑った。驚いて隣を見ると、ユベールは肩を震わせていて。

「あはっ、はははっ!」

ついに大きな声を出して、耐えることもせずに笑い出した。

「ユ、ベール様?」
「ははっ、はは、あははははっ!」

サラの声は届いていたのだろうか。部屋に集まった人々は狂ったように笑い続けるユベールを怯えた様子で見ている。

「はぁ……おっかしー」

ひとしきり笑った後、ユベールはスッと表情を消した。
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