ふたり輝くとき
「ふーん。なるほどね。第14代国王様が光を伝って未来に行けるっていうのは本当だったんだ」

聞いていないようで、クロヴィスとユベール国王のやりとりもしっかりと聞いていたらしいユベールはサラの額にチュッとキスをした。

『うん。さすが、よく知っているね。ユベール』
「なんか変な感じ……君もユベールでしょ?」
『そうだけどさ、君もユベールなんだからしょうがないじゃない』

そんなやりとりを聞きながら、クロヴィスはこめかみを押さえた。これは……まとめるのが大変そうだ。

「とりあえず、私から報告しますけれど」

咳払いをしてから話し始めると、言い合っていた2人のユベールはピタリと静かになった。サラもクロヴィスのほうへ顔を向ける。

「ユベール様がお察しの通り、今回の首謀者はロラン様です。貴方を煽り、サラ様の気が消えたのを見計らってアドリーヌ様にダミアン様への接触をさせました」

そしてジュストの居場所をつきとめた後はユベールたちがまさに経験した通り。

「で、アドリーヌはどうしたの?」
「地下牢に」

短く答えると、ユベールは「ふーん」と気のない返事をした。別に恩を売るつもりはないけれど、それなりに苦労してアドリーヌを捕らえ、自白までさせたのにそんな一言で片付けられるのも少し腹が立つというものだ。

「とにかく、皆様が回復したら謁見の間で集会を開くそうです」
「今度はロランに責任を押し付ける会?」

ユベールはフンと笑ってサラを横抱きにしたまま立ち上がる。

「そんなどうでもいい集まりより、クラドールを呼んでよ。もっと優秀な奴だよ。昨日トラッタメントを担当したのは誰?ついでにこの前の奴も、クビにして。全然治ってない」

苛立ったように言うと、ユベールはベッドにサラを寝かせた。そのベッドの淵に自分も座り、サラの手を握る。
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