ふたり輝くとき
エピローグ
遠くで聴こえるかすかな物音と、香ばしい匂い。

「ん……」

シーツの中で手を伸ばしたけれど、案の定その温もりに触れることはできなかった。ユベールは重い瞼をゆっくりと上げて、更に重い身体を起こした。

冷たい空気がユベールの身体に纏わりついて、ユベールは身震いをしてから自分の横に丁寧に畳まれて置いてある服を身につけていった。

床に散らばっていたはずの2人分の夜着はなくなっていたし、朝食の匂いがハッキリと届き始めたことから、サラはかなり前に起きたようだ。

(若さ……なの?)

とは言っても、ユベールだってまだ20代である。少々朝が弱いということはあるけれど。

思えばサラは、初めてのときからユベールをベッドに置いてけぼりにしていた。そして城を出てからもそれは変わらない。前日の夜にどんなに激しく求めても、だ。

ユベールはため息を漏らしてキッチンへと足を運んだ。

「サラ、おは――」

扉を開けたところでユベールは固まった。招いていない客が食卓についていたからだ。

「あ、ユベール様。おはようございます。今、紅茶をご用意しますから座ってくださいね」

サラは特に変わった様子もなくニッコリとユベールを促す。

ユベールに、この男と食事を共にしろ……と?
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