ふたり輝くとき
「で、でもっ――」

相当“お気に入り”らしいドレスの入った箱にサラは視線を貼り付けたまま。

「泣いたってダメだからね!」

ユベールはピシャリと言って、テーブルに戻った。サラはそれ以上何も言わずにキッチンに戻っていった。

クロヴィスが大きくため息をつく。

この側近はため息をつきすぎて不幸になるのではないだろうか。

「また、感情的になっておられますよ」
「……言われなくてもわかってる!」

わかっているけれど、サラのことになると止められないのだ。

「そうですか。では、私はそろそろ失礼いたしましょう」

クロヴィスは綺麗になった食器をキッチンへ持って行き、それから箱を取りに戻ってきてすぐに城へと帰っていった。

ユベールも食べ終えた食器を片付けにキッチンへと入る。サラは黙々とクロヴィスの置いていった食器を洗っていた。

「サラ」

ユベールが呼ぶと、サラはピクッと肩を跳ねさせた。ユベールは食器を置いて、サラの身体を後ろから抱きしめる。
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