ふたり輝くとき
「あ、ユベール様、荷物のお片づけは終わりましたか?」
「うん。ねぇ、ちょっと休憩にしよ?紅茶も入ってたから」

キッチンで夕食の準備をしていたサラに、茶葉の入った缶を渡す。

その瞬間、サラはパッと笑顔になった。

「わぁ!これ、私が好きなものです。クロヴィスさん、覚えてくださっていたんですね」

ユベールはムッとしてサラの身体を引き寄せた。

「ユ、ユベール様、危な――っ」

火にかけたままの鍋に視線を向けるサラの顔をグッと自分の方へ向けて唇を重ねる。サラはユベールの胸を両手で押し返してきたけれど、ユベールは力強く抱きしめてそれを許さない。

「んっ……ゅ、っ…………はっ」
「僕だって君の好きな紅茶の種類くらい知ってる。それに、僕がいるときは鍋じゃなくて僕のことを見てよ」

頬を染めて瞳を潤ませるサラの耳元で囁くと、ビクッと細い身体が跳ねる。

ユベールは鳥肌が立った。

サラはユベールの手でどんどん艶っぽさが増していて。敏感な彼女に媚薬を飲ませたら、きっと泣くほどに……

そう思うと、早くサラと“ティータイム”を過ごしたくて我慢できなくなった。

「ユベール様……」
「ふふっ、いじわるって言いたいんでしょ?」

ユベールはパッとサラから身体を離した。

「さ、お茶にしよ?」

甘い、甘いティータイムを始めよう――
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