ふたり輝くとき
バチンッ

と、大きな音がしてユベールの身体に衝撃が走る。だか、それは痛いというよりはユベールの身体になじむように全身を流れて引いていった。

「な、何これ……?」

ユベールは驚いてサラを見た。サラは相変わらず苦しそうに呼吸をしている。

サラはもう呪文を使えないはずだ。チャクラも持っていない。もちろん、ユベールも今は何もしていない。それなのに、どうしてこんなことが起こるのだ?

「ユベール様……ビリビリして、チカチカして、声が……」
「こ、声?」

とうとう幻聴が聴こえるほどにサラは体調が悪いらしい。

ユベールは慌てて身体を起こした。

「クラドール、呼んで来るから!待ってて!」

そうしてユベールがベッドを降りようとすると、パンッと光が目の前で弾けた。

『やぁぁ!』

それと同時に響く、高い声。

「へ……?」

ユベールは開いた口を閉じるのも忘れてサラを振り返った。
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