ふたり輝くとき
赤ん坊は自分の存在を知らせたことで満足したらしく、サラはすぐに起き上がれるようになり、診療所へもユベールと2人で赴くことができた。

サラは妊娠3ヶ月目に入るところだということだった。

担当のクラドールからこれから悪阻がひどくなるかもしれないこと、光属性の子供のため生まれる前は胎動と共に電流が走るような感覚があるかもしれないことなどの説明を受けて、ようやく家に帰り着いたところだ。

だが、ユベールはおそらくサラはこれから赤ん坊が生まれるまでずっと“ビリビリ”“チカチカ”に悩まされるのだろうと思った。

ユベールの子なのだ。サラが呪文を使えないとはいえ、それなりの力を持っていると考えて良いだろう。今朝の暴れようを考えても苦労は耐えない気がする。

ご機嫌を損ねないよう気をつけなければいけないだろう。

気になるのは……

「ねぇ、サラ。女の子、だよね?」

絶対、女の子がいい。いや……そういえば、クロヴィスが女の子は父親に似る確率が高いとも言っていた気がする。

それなら男の子のほうが……?

いやいや、外見はユベールに似ていても構わない。性格は育て方の問題か……

「……男の子、って言ったら、嫌ですか?」

ソファに座ってユベールの方に頭を預けていたサラがユベールを上目遣いに見る。
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