ふたり輝くとき
「え……そうじゃなくて、あ、いや、その……僕は女の子が欲しくて、えっと……でも、男の子でもサラに似るならいいかもって……」

なんだかまとまらないまま言葉になってしまうユベールの思考。

あぁ、自分はこんなに動揺しているのだ。ユベールの子がサラに宿っているとわかっただけで。

「ふふっ、こんなユベール様、初めて……朝は、泣い――」
「……笑わないでよ」

サラの唇を塞いで言葉を飲み込んだら、サラはまた笑って。

「だって、嬉しかったんです。ユベール様が……喜んでくれて」
「当たり前でしょ?」

サラとユベールの子なのだから。この世界で一番可愛くて、優しくて、輝くサラとユベールの宝物。

「ねぇ、ユベール様。私、見ませんから……」

サラはユベールの首に腕を回してギュッと抱きついてきた。

そしてユベールの耳元で囁く。

――男の子と女の子なんです、と。

「嬉しい、ですか?」
「……っ、うん…………今までで1番かも」

ユベールはサラの背中に手を回して、サラの首筋に頬を寄せた。


We’ve got a princess and a prince! *END*
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