ふたり輝くとき
息もつかせないほどのキスを与え続け、唇を離したときにはサラの頬が真っ赤に染まっていた。それと同じように、バラの香りに染まったサラとユベール自身の身体が――ユベールを落ち着かせた。

荒い呼吸を繰り返して、ユベールの肩を掴むサラ。その手首が、赤くなっているのはお湯の熱のせいだけではない。

「君は……僕のお人形なんだよ。どうしてわからないの?」

昨日、あんなに強く言ったのに。

ユベールはサラの頬に張り付いた花びらを取ってお湯へと戻す。首筋や胸元のドレスにいくつもついているそれらも、順番に。

「ユベ……ル、さ……」
「サラ」

すべての花びらを取った後、サラの頬を両手で包み込む。

「逃げるのは許さない」

ロランに奪われるなど論外だ。

「私は――っ」

ユベールはサラの言葉を飲み込んだ。自分でもうまく処理できない気持ち。それをぶつけるように、激しく舌を絡め、サラの身体を抱きしめる。

サラが気を失ってしまうまで、ユベールは彼女を離さなかった。

離せなかった――

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