ふたり輝くとき

ルミエール国王

――それから1週間ほど。

サラはほとんど手をつけていない朝食を片付ける侍女を目で追いながらため息をついた。

日々は目まぐるしく過ぎていく。アンナはあの日から毎日のようにサラの部屋を訪れて前日の夜がどうだったかを聞いてくる。曖昧に言葉を濁すサラを助けてくれるのはいつもクロヴィスだ。

ユベールは相変わらず気まぐれにサラを翻弄する。

あの日、浴室で激しいキスをされた後、サラが目覚めたときには自室のベッドの上だった。びしょ濡れだったドレスは寝間着に着替えさせられていて、髪もきちんと乾いていた。

あのときのユベールの瞳も、ロランの上着を燃やしたときと同じ色だったように思う。けれど、怖いとは思わなかった。

サラの肌に張り付いた花びらを1枚ずつ取っていった指先や、サラを抱き締める腕は優しい温度だった気がして振りほどけなくて、熱に浮かされて気を失った。

それは……2人がお湯の中にいたから、そう錯覚しただけなのだろうか。

ロランに会うのは怖くて中庭には行っていない。ロランもさすがに堂々とサラの部屋まで訪れることはしないようだ。

サラがもう1度ため息をつくと、扉がノックされた。またアンナだろう……

「はい」
「失礼致します」

サラが少し身構えて返事をすれば、侍女が1人入ってくる。見覚えのない人だ。

「突然お伺いして申し訳ありません。ダミアン様がサラ様にお会いしたいとおっしゃっております」

首を傾げるサラに侍女はそう告げた。

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