君と、世界の果てで
「あはは、似合わない」
「はいはい」
「あったかいね。
広いお風呂、久しぶり」
「落ち着かねぇけどな」
「そう?」
深音は上機嫌でニコニコして言った。
「ライブ、成功して良かったね」
「あぁ……本当に」
「また、できるかな」
「ワンマンは……どうだろうな。
タイバンなら、すぐ声かかるかもしれねぇけど」
そうだね、と言って深音はうつむいた。
「楽しかったなぁ……」
彼女はぼんやりと、バラを見つめている。
「……ありがとう、ワガママ聞いてくれて。
ライブができて、本当に嬉しかった」
「……何だよ、気持ち悪い」
俺を見上げた深音は、泣き笑いみたいな表情をした。
「……最初で最後のワンマンになったらどうしよう……」
「…………」
「……死にたくないな……」
ぽつりと呟くと、またうつむいてしまった。