君と、世界の果てで

「ねぇ、キスしよ」



……ったく、こいつは……



「……ここでそんなんしたら、それ以上の事もしたくなるだろ」


「すれば良いよ」


「良いわけないだろ！

ホントめちゃくちゃだな、お前」


「大丈夫だよ。

ライブだって、大丈夫だったでしょ？

今日は、神様のご褒美デーだから」


「なんだ、そりゃ……」



言葉の途中で、唇を奪われた。



残った理性で、深音を無理矢理引き剥がす。



「やめろって。

無理矢理したら訴えるぞ」


「ホントに、大丈夫だから。

ね、一回だけ」



……なんか男女のセリフが逆じゃないか？



「いつの間に、そんなエロくなったんだよ」


「翼さんがこうしたんだから、責任とって」



うっ。


それを言われたか。


一度わがままを言い出すと、この女は絶対ひかない。


俺は、覚悟を決めた。