君と、世界の果てで
「ご自宅の敷地内の倉庫で、首吊り自殺されたようです」
刑事らしき男性が、入り口で、事務的な口調で言う。
「確認をしていただきたいのですが……
どなたが、お会いになられますか」
理解したくない。
これは、現実か?
陸が、死んだなんて。
「じゃあ……私が行きます。
母さんは、待ってなさい。
翼は……どうする?」
親父が助けを求めるような目で、俺を見る。
「……行く」
もちろん、拒否はできなかった。
倒れそうな母さんが、婦警に付き添われて、その場から少し離れると。
刑事が、安置室の冷たい扉を、ゆっくりと開いた。