仲直りしようよ!
もう何でもいいから

君のぎこちない顔は

見たくないんだ。

そんな子供のように

泣きわめく私の手に

温かい体温が伝わってきた。

私のぐーにした握り拳を

両手で優しく包み込んだ。

「うん……仲直りしよう」

うう。

悔しいなぁ。

涙で視界が歪んで

よく君の顔が見えない。

でもきっと。

君は、笑ってるんだろうなぁ。

私は泣きわめくのをやめた。

それでも、涙はポロポロ落ちる。

震える唇を開いて

言った。

「わ………笑え、ばかぁ!」

また私の意地っ張りがでた。

君はうつ向いた。

バスが来た。

君が顔をあげた。

「はは……あはは!何だよそれ~?」

笑ったんだ。

今までにないくらい

ぜんかいの笑顔で。

バスの入り口が開いた。

君は立ち上がり

私の手を引いた。

「……行こ」

また君は

いつものシャイに戻った。

でもね。

私、知ってるんだ。

君がシャイなのは

好きな人の前だけ。

君はね………

私のことが大好きなんだよね?

口に出して聞くのは

恥ずかしいから

今は私の心の中に

しまっておくよ。

君と手を繋いで。

笑う私と。

それを見つめて微笑む君。
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