天国のマシュに会いたい
先生は出血しているところから先の細胞は、もう死んでいるだろうから、神経も死んでいるだろうと考え、麻酔を使わずに生きている細胞の少し下の、死んでいる細胞のところで大きな挟みで荒く、ぎざぎざに一気に切り落とすと言っている。

できるだけマシュの負担を軽くするのには、その方法しか無いと言う。

そしてその後は壊死しているところがミイラ化してくれるのを願うしかないと説明された。

とにかく明日のマシュの様子を見て決めることになった。

マシュは食事の量も増えてきたのだが、尿を自分で出せないのと便が出ない。

ところがこの夜、座布団の上に血がつかないように敷いている新聞を、何やら前の手で、カシャカシャと引っかいていると思うと便をした。

退院後、初めての便であった。

マシュの身体自体は少しずつ、もとに戻っているのかも知れないが、問題は左足であった。
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