天国のマシュに会いたい
四月の末頃でしたでしょうか。

マシュを庭で散歩させていると、二軒奥に住んでいて仲良く千恵子と時々話をしている奥さんが、仕事から自分の家へ車で帰る途中で、急に私の家の前で止まり、マシュのリードを持ち散歩させている千恵子に向かって車の窓を開けると

「前々から訊こうと思っていたんやけど、狸飼い始めたん?」
と訊ねた。

千恵子は笑いながら

「ちょっと狸に似とるけど、猫なんや」
と答えると奥さんは

「え~、猫なん。てっきり狸かと思った」
と言い残して帰って行った。

やはり、ぱっと見ると狸に見えるのだ。

二軒隣の町道よりに建っている、アパートのおばあさんも毎日、自分の飼っている犬を散歩させているのだが、マシュを見て

「その猫は、変わった柄しとるなぁ。ちょっとレッサーパンダに似とるなぁ」
と言いながら、犬を散歩させている。

レッサーパンダと言われたのは初めてであるが、狸よりはイメージとして、いい方に解釈してくれている感じがした。

マシュの尻尾は猫が興奮して尻尾を膨らませた通りの尻尾をしている。

その尻尾に特徴があり膨らんでいて他の二匹の猫よりも少し短い。

そして尻尾をピンと立てて歩く。
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