危険すぎる大人だから、近づきたくなる
裸体を全身で感じる。2人でただ、裸になっただけなのに、それだけで充分に満足できていた。
ふと気づくと、腕にしていた包帯は取られ、ガーゼだけが貼られていた。ナガレダマ……ってもしかして!
「もしかして、これ、撃たれたの!?」
「何度も言わせるな。かすっただけだ」
「撃たれて? 撃たれてかすったの!?」
「……もう治っている」
そういえば、この上着の中には……。思い出してちらっとそちらを見ると、乱れたワイシャツの隙間から黒の塊が見えた。
右手の人差し指に少し力を入れるだけで、私は吹っ飛ぶ。
葛城は視線に気づいたのか、拳銃を服の中に隠す……。と、思ったのは私だけだった。
素早くそれを手に取り、握り締めると銃口を真下に向けた。
冷たい小さな円が、胸の少し左に当たる。心臓は激しく動き出し、その振動が拳銃を伝って少し揺れている。
「安心しろ。今のところ、殺すつもりはない」
何と声を出していいのか分からなかった。とにかく、その銃口が重く、冷ややかで。少し出方を間違えれば、私は間違いなく、殺される。
「心配か?」
私は慌てて何度も頷いた。全身は硬直している。いつもの憎らしい薄い笑みが、全く違って見える。
私の顔は相当に歪んでいた。だけど、泣けば相手を刺激するかもしれない。そんな緊張感が初めて生まれた。
もしかして、脅されているのだろうか? 何か要求されているのだろうか? やっぱり、いつもの葛城とは、違う!
「……冗談が、すぎた」
伝わったのか、葛城は銃をおろすとワイシャツの上にポンと置いた。そして、私の首元に顔を埋める。
「謝っただろ? そんなに怯えるな」
「こ、殺さないで……」
「今のは冗談だ」
続けて、舌が首筋を何度も上下して這い、更に、乳首を含まれ、口の中で転がされた。舌の動きはいつもと同じで……。不思議なことに、体の緊張は一瞬でほぐれる。
たった今、殺されると思ったばかり。なのに、葛城の舌を感じはじめた頃には、体は完全に奴に支配され、頭の中は何も考えてはないなかった。
「こんなに俺をその気にさせるとは……声をかけてきたときは、どんなガキかと思っていたが」
葛城が私の体をぎゅっと抱きしめた。
涙が溢れた。胸が、痛い。胸の中の何かがいっぱいになって、搾り出された物が、次々に溢れ出している。そんな気がした。
情でいっぱいになると、今度は私が葛城の首に腕を回した。葛城の体は硬い。今、初めて知ったことだった。
その後、葛城の腰は速く動き、私は「葛城」と何度も叫んだ。涙はずっと流れていて、体よりも、心の欲に集中していたせいで絶頂には至らなかったが、それでも、今までで1番気持ちの良いセックスだった。
葛城は終始無言で。涙で顔もよく見えなかったが、体はちゃんと熱くなって果てていて、それが何かの答えのような気がした。
「やっぱ重いね。鉄と砲って書くだけある。ね、ね。やっぱ射撃場で練習とかしてんでしょ?
服の中からさっと抜いて、一瞬で狙うって簡単じゃないよね……。ねぇ、私も練習したらできる? これなんか小さいしさ。手乗りサイズ♪」
「勝手に触るな」
全てが終わってみると、銃弾戦に巻き込まれたなんて、映画の1シーンみたいでカッコいいなと思い直すことにした。そのついでに、葛城の銃を勝手に拝見。
「大きいのは無理だよね、重いし」
「……小さい方が力が必要なんだ。そんな細い腕じゃ何もできない」
「えっ、私、細い?」
そういう意味で言ったのではないことは分かっていたが、やっぱり、女の子は「細い」と言われただけで嬉しい。
「? ……銃を握るには細い」
やっぱ、葛城はオヤジだから。女の子が細いって言われて、嬉しがってることなんか分からないんだ。なんか、いい気味!
「ねぇね、お腹すいたー。パフェが食べたいな。あ、ケーキでもいいよ。疲れたし、甘い物って気分♪」
「何をのんきなことを言っている。試験だろうが」
言われて初めて気がついて、サイドテーブルの時計を確認した。午後12時前。いや、確認するまでもなく、留年を決めている。
「今更何言ってんのよ。もう間に合わないよ。あなたのせいだからね!」
そうは言ってみたものの、奴に囲われるのもいい人生かもしれない、と少し思う。
「心配するな。学長にはちゃんと話をつけてある。着替えたら、行くぞ」
「え? 何よ……。何? 何であなたが学長なんかと話するのよ!」
「留年して困るのはお前だろうが。大学くらい、卒業しておけ」
それならそうと……あぁ、何でもっと早く言ってくれないかなぁ! もう、覚えたやつ、あの銃声で全部忘れちゃったよ!
「何だ? 俺に囲われたかったのか?」
いつも自分だけ余裕ぶっちゃって……。そのいやらしい顔つきで見下されて、私が喜ぶとでも思ってるのかしら。
「違いますっ!そんなこと、言ってませんッ!!」
ふと気づくと、腕にしていた包帯は取られ、ガーゼだけが貼られていた。ナガレダマ……ってもしかして!
「もしかして、これ、撃たれたの!?」
「何度も言わせるな。かすっただけだ」
「撃たれて? 撃たれてかすったの!?」
「……もう治っている」
そういえば、この上着の中には……。思い出してちらっとそちらを見ると、乱れたワイシャツの隙間から黒の塊が見えた。
右手の人差し指に少し力を入れるだけで、私は吹っ飛ぶ。
葛城は視線に気づいたのか、拳銃を服の中に隠す……。と、思ったのは私だけだった。
素早くそれを手に取り、握り締めると銃口を真下に向けた。
冷たい小さな円が、胸の少し左に当たる。心臓は激しく動き出し、その振動が拳銃を伝って少し揺れている。
「安心しろ。今のところ、殺すつもりはない」
何と声を出していいのか分からなかった。とにかく、その銃口が重く、冷ややかで。少し出方を間違えれば、私は間違いなく、殺される。
「心配か?」
私は慌てて何度も頷いた。全身は硬直している。いつもの憎らしい薄い笑みが、全く違って見える。
私の顔は相当に歪んでいた。だけど、泣けば相手を刺激するかもしれない。そんな緊張感が初めて生まれた。
もしかして、脅されているのだろうか? 何か要求されているのだろうか? やっぱり、いつもの葛城とは、違う!
「……冗談が、すぎた」
伝わったのか、葛城は銃をおろすとワイシャツの上にポンと置いた。そして、私の首元に顔を埋める。
「謝っただろ? そんなに怯えるな」
「こ、殺さないで……」
「今のは冗談だ」
続けて、舌が首筋を何度も上下して這い、更に、乳首を含まれ、口の中で転がされた。舌の動きはいつもと同じで……。不思議なことに、体の緊張は一瞬でほぐれる。
たった今、殺されると思ったばかり。なのに、葛城の舌を感じはじめた頃には、体は完全に奴に支配され、頭の中は何も考えてはないなかった。
「こんなに俺をその気にさせるとは……声をかけてきたときは、どんなガキかと思っていたが」
葛城が私の体をぎゅっと抱きしめた。
涙が溢れた。胸が、痛い。胸の中の何かがいっぱいになって、搾り出された物が、次々に溢れ出している。そんな気がした。
情でいっぱいになると、今度は私が葛城の首に腕を回した。葛城の体は硬い。今、初めて知ったことだった。
その後、葛城の腰は速く動き、私は「葛城」と何度も叫んだ。涙はずっと流れていて、体よりも、心の欲に集中していたせいで絶頂には至らなかったが、それでも、今までで1番気持ちの良いセックスだった。
葛城は終始無言で。涙で顔もよく見えなかったが、体はちゃんと熱くなって果てていて、それが何かの答えのような気がした。
「やっぱ重いね。鉄と砲って書くだけある。ね、ね。やっぱ射撃場で練習とかしてんでしょ?
服の中からさっと抜いて、一瞬で狙うって簡単じゃないよね……。ねぇ、私も練習したらできる? これなんか小さいしさ。手乗りサイズ♪」
「勝手に触るな」
全てが終わってみると、銃弾戦に巻き込まれたなんて、映画の1シーンみたいでカッコいいなと思い直すことにした。そのついでに、葛城の銃を勝手に拝見。
「大きいのは無理だよね、重いし」
「……小さい方が力が必要なんだ。そんな細い腕じゃ何もできない」
「えっ、私、細い?」
そういう意味で言ったのではないことは分かっていたが、やっぱり、女の子は「細い」と言われただけで嬉しい。
「? ……銃を握るには細い」
やっぱ、葛城はオヤジだから。女の子が細いって言われて、嬉しがってることなんか分からないんだ。なんか、いい気味!
「ねぇね、お腹すいたー。パフェが食べたいな。あ、ケーキでもいいよ。疲れたし、甘い物って気分♪」
「何をのんきなことを言っている。試験だろうが」
言われて初めて気がついて、サイドテーブルの時計を確認した。午後12時前。いや、確認するまでもなく、留年を決めている。
「今更何言ってんのよ。もう間に合わないよ。あなたのせいだからね!」
そうは言ってみたものの、奴に囲われるのもいい人生かもしれない、と少し思う。
「心配するな。学長にはちゃんと話をつけてある。着替えたら、行くぞ」
「え? 何よ……。何? 何であなたが学長なんかと話するのよ!」
「留年して困るのはお前だろうが。大学くらい、卒業しておけ」
それならそうと……あぁ、何でもっと早く言ってくれないかなぁ! もう、覚えたやつ、あの銃声で全部忘れちゃったよ!
「何だ? 俺に囲われたかったのか?」
いつも自分だけ余裕ぶっちゃって……。そのいやらしい顔つきで見下されて、私が喜ぶとでも思ってるのかしら。
「違いますっ!そんなこと、言ってませんッ!!」