鳥かごと処女
どうして、ここにいるのだろう。

どうして、こんなことになったのだろう。

光の中で聞いた、祖父の言葉。
“無駄な事など、一切無い。”
ならば、今こうして自分がここにいるのは、無駄ではないのだろうか。

(無駄で良い・・・帰りたい。)

元居た時代に帰りたい。
ここが教会ならば、信じていなかった神に祈ってもいい。
(帰らせて・・・帰らせてくれ・・・)
顔を伏せたまま動かない亮一郎を、牧師は優しくさすってくれた。
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