鳥かごと処女
暗くなる前にと、エメシェとレヴェンテを送り、亮一郎とセードルフは教会へ帰る。
今から夕食の支度だ。

「いつになったら、トーフ食べれるんだろうな?」

まだ豆腐が気になっているらしいセードルフは、ほんの少しジャガイモが入ったスープをかき混ぜながら、亮一郎に聞いた。
「う~ん・・・材料が無いと出来ないからな・・・」
飢饉が続いては、難しいだろう。

豆腐の作り方もよく知らないし、この時代に日本から豆腐が輸入できるはずもない。
「トーフ、スープにしたらうまいかな?」
「うまいよ。」
豆腐の話をしていたら、腹が減ってきた。
毎日少ない食材で、なんとか食いつないでいる。
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