一万回目のプロポーズ
それから数年、私は中学生となった。

もちろん瞬も一緒。

あとひとり、知紗も一緒。

今の時間は休み時間。

教室飲みんながざわめいている。

「ねぇねぇ琴音、あんたの好きなタイプ誰?」

私の親友、もあが聞いてきた。

「・・・。」

私は机に顔を伏せている。

「おーーーい!琴音ーーーーー!こ・と・ね!」


もあがしつこく聞いてきた。

私はむくりと起き上がった。

「・・・うるさいよもあ。わたしゃ眠いんじゃ。寝かしておくれよ。」

そう言って私は顔をまた伏せた。

「おい!コラ!質問に答えやがれ!」

ゴン


もあが私の頭をげんこつした。

「いったぁぁぁぁ・・・。もう!なんなのよ!」

私は怒った。

「だからあんたの好きなタイプは誰だよって聞いてんの!」

「好きなタイプ?山本くん。」

私はそう言ってまた顔を伏せた。

「はぁ!?山本!?マジ!?」

山本君はこのクラスでも「オタク」などなんやらと言われている。

でも私はそんなやつのことが好きなわけがない。


冗談で言ってる。

そしてチャイムがなった。

隣の人が席に座った。

「ねぇ、佐藤さん、佐藤さん、数学の宿題、やってきた?」

隣の席の宮本瞬が話しかけてきた。

私はむくりと起き上がり数学のノートを差し出した。

当然瞬は引いただろう。

「あ・・ありがとう。」

そう言って瞬はノートを写し出した。

「・・・ふぁ~」

「あ。。あくびしたところ久しぶりに見たかも・・・。」

私たちは小学生に上がった頃はもう言葉は交わしてはいなかった。
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