廻る、出会いと別れ
「小野田さん、今日はありがとうございました」


小野田さんが私のことをちゃんと見てくれていたことだけでも十分に嬉しかった。


そして、【幸せの四角形】の話が思いがけず、すごく心に響いた。



「いやいや、私は話したかったことを一方的に話しただけだからね。橘さんは更衣室に行くでしょ?私はもう着替えているから先に帰るね。じゃ、また明日。お疲れ様」


「おっ、お疲れ様でした」




更衣室の前で別れて、颯爽を帰っていく小野田さんの背中がとてもかっこよかった。


私も小野田さんみたいな作業療法士に、そして彼女みたいな女性になりたいな。


そんなことを考えた。

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